【1】ひろい出し

“ひろい出し”とは、型枠の加工図を作成する作業のこと。
お預かりした建物の設計図をもとに、柱、壁、梁、床などの形状・寸法を拾い出し、必要となる型枠を図面に落とし込みます。
【ここがPOINT】
加工図をつくることで、各部分に必要な型枠の形状、数量などが分かります。
図面に少しでも狂いがあると、完成後の建物に致命的な欠陥が生じてしまうため、大変重要な作業です。
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型枠大工の仕事とは、鉄筋コンクリート造の建物において、コンクリートの形を決める“型枠”をつくること。
固まってしまうと元にもどらないコンクリート相手の施工なので、失敗は一切許されません。
実は業界では、建物を支える柱は“垂直精度±3mm以内”が許容範囲だと言われています。
範囲を超えて歪みが出ると、建物の強度や出来栄えに大きな差ができてしまうことに。
コンピューターを使わず人間の手で誤差をミリ単位に抑える、そんな精密な現場が私達型枠大工のフィールドなのです。
安全性の高い建物は、一つひとつに隙の無い、確かな作業の集大成。
当社が心を込めて手掛ける、型枠工事の工程をご紹介いたします!
“ひろい出し”とは、型枠の加工図を作成する作業のこと。
お預かりした建物の設計図をもとに、柱、壁、梁、床などの形状・寸法を拾い出し、必要となる型枠を図面に落とし込みます。
【ここがPOINT】
加工図をつくることで、各部分に必要な型枠の形状、数量などが分かります。
図面に少しでも狂いがあると、完成後の建物に致命的な欠陥が生じてしまうため、大変重要な作業です。
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作成した加工図をもとに、型枠のパネル加工を行います。
型枠の材料となる合板や桟木を切断し、組立パネルや柱型、梁型、スラブ材、補助パネルといった、各所のパーツを製作していきます。
ここまでで前準備は完了。
ここから先は現場での作業になります。
【ここがPOINT】
加工された部材は、現地に運び、現場で組み立てを行います。
組み立てしやすいように工夫を凝らして加工することで、作業の効率化を図ります。
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“スミ出し”とは現場において型枠を立てる場所に印をつけていく作業のこと。
今後の型枠組み立ての基準をつくる、大切な作業です。
スミ出しが終わると、今度はスミを打ったところに合わせて、コンクリ釘で桟木を打っていきます。
これは“敷き桟”と呼ばれ、型枠を建てるための土台をつくる作業です。
【ここがPOINT】
スミ出しには基準スミ、仕上げスミ、レベルスミといった種類があり、いずれも的確に行わなければ建物として完成されません。
水平・垂直が保たれるよう、測定器などを使用しながら、慎重に作業を行います。
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あらかじめ部品化しておいた柱や壁、梁などの型枠材を組み立てていきます。
この作業の良し悪しによって建物の出来が左右されるため、一切妥協は許されません。
型枠を建てた後は、コンクリートを入れても変形しないよう、銅管で締め付けを行います。
【ここがPOINT】
柱や壁の形を決める型枠には、形状や寸法の精度と、コンクリートを流し込んだ時の圧に耐える、充分な強度が必要です。
建て込みは、常に水平・垂直を保たなければならない、型枠大工の技術が試される工程となっています。
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コンクリートを打設してしまうと、もうやり直しはききません。
そのため建て込み完了後は、型枠に補修を要する箇所や未完成の部分が無いか、各所を念入りに点検してまわります。
施工に問題が無ければ、ポンプ車などからコンクリートを型枠に流し込んでいきます。
【ここがPOINT】
流動性のあるコンクリートを流し込むため、型枠にはかなりの圧力がかかります。
そのため打設中は歪みやズレが発生している箇所はないか、常に型枠の点検を行わなければなりません。
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型枠に流しこんだコンクリートが固まったら、バールなどを用いて型枠をはがしていきます。
型枠パネルは転用することも考慮し、出来るだけ傷めないように取り外しを実施。
材料を搬出し、充分に清掃を行います。
【ここがPOINT】
型枠解体は、資材の落下や足場からの転落といった危険を伴う作業です。
通常は壁、梁、スラブの順に日数を置き、安全を確認しながら慎重に作業を行います。
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解体が終わったら、型枠工事は終了です。
この後は仕上げ工事が始まりますので、続いて施工する業者に現場を明け渡します。
次の業者が気持ち良く作業ができるよう、現場整備は万全を心掛けています。